マシンピラティスの効果には、研究で報告があるものと、まだはっきりしないものがあります。この記事の材料は、研究のまとめと、Pilates Data Lab が謝礼を払って集めたアンケート(2026年10月)です。回答者はマシンピラティスを体験・利用した133人です。
研究、回答者の声、体験で確かめることの順に整理します。
この記事の要点
- 研究で報告があるのは、主に慢性腰痛の痛みの軽減と腹筋の持久力の向上(バランスは60歳以上、柔軟性は結果が分かれる)
- 回答者133人中39人(29%)が体の変化を書き、最多はレッスン中の手応え(14人)
- 効果を感じなかったと書いた6人は、やめた人5人と体験だけの人1人
ピラティスの研究で報告がある効果は慢性腰痛と柔軟性
マシンピラティスは、リフォーマーなどのバネで動きを助け、負荷を変えるピラティスです。研究はマットを含むピラティス全般が中心で、マシンに限った大規模な研究はまだありません。
| 効果 | 研究で言えること(対象者) | まだ言えないこと |
|---|---|---|
| 慢性腰痛 | 最小限の対応と比べて痛みと生活の支障が軽くなった報告(原因不明の慢性腰痛の大人) | ほかの運動より効く・急性の腰痛 |
| 柔軟性・腹筋の持久力 | 腹筋の持久力は上がった報告。柔軟性は結果が分かれる(健康な人) | 筋肉が大きくなる |
| バランス | 改善した報告(60歳以上) | 転ぶ回数が減る |
| 気分 | 不安や抑うつの症状が軽くなった報告(小規模な研究) | うつ病が治る・自律神経が整う |
| 姿勢 | 改善を示す研究はあるが確実性が低〜非常に低い(大人) | 猫背・反り腰が治る |
| 肩こり | 肩こりに絞った研究は見つからない | 肩こりが解消する |
| 体重・体型 | 体重・体脂肪率が減った報告(過体重・肥満の大人) | 痩せる・ウエストが細くなる |
慢性腰痛の痛みと生活の支障が軽くなったという報告がある
2015年のコクランレビュー(研究のまとめ)では、原因のはっきりしない慢性腰痛の人で、最小限の対応と比べて痛みと生活の支障が軽くなったと報告されています。確実性は低〜中程度で、ほかの運動より優れるとまでは言えません。
腰痛診療ガイドライン(2019年)も、ピラティスの名指しはないものの、慢性腰痛への運動療法を強く推奨しています。アンケートでも、腰痛などの不調をきっかけに始めた人は133人中38人です。
柔軟性や腹筋の持久力が上がったという報告がある
健康な人を対象にした2011年の研究のまとめ(質の低い研究が中心)には、柔軟性が上がったという報告があります。2016年のまとめでは、腹筋の持久力が上がった一方、柔軟性には差がありませんでした。
60歳以上を対象にした研究のまとめ(2021年・2024年)では、バランスの改善が報告されています。ただし、転ぶ回数が減るとまでは確かめられていません。
姿勢・肩こり・体重への効果はまだはっきりしない
姿勢は、18研究をまとめた2024年の分析で、大人の改善は確実性が低〜非常に低いという評価です。成人女性74人がマットを週2回・6か月続けた2013年の試験では、頭と肩の位置は改善し、背骨と骨盤は変わらないという結果です。
体重は、過体重や肥満の大人で減ったとする2021年のまとめがある一方、腹囲には差がありませんでした。回答者133人にも、肩こりが楽になった、痩せたと書いた人はいませんでした。
133人がいちばん多く書いたのはレッスン中の手応え
体の変化に触れていたのは133人中39人(29%)で、最も多いのは、筋肉に効いている感じなどレッスン中の手応え(14人)です。設問は効果を直接たずねておらず、自由記述を編集部が1人ずつ読んで数えました。
前向きな変化を書いた人は、通っている62人中18人(29%)、体験だけ29人中8人(28%)、やめた42人中5人(12%)でした。
| 分類 | 人数 | 通っている(62人) | やめた(42人) | 体験だけ(29人) |
|---|---|---|---|---|
| 効いている感覚 | 14 | 8 | 3 | 3 |
| 体が軽い・スッキリ | 4 | 2 | 1 | 1 |
| 筋肉痛になった | 4 | 2 | 2 | 0 |
| 姿勢を意識するようになった | 5 | 2 | 2 | 1 |
| 姿勢が変わったと感じた | 4 | 4 | 0 | 0 |
| 腰の痛みが和らいだ | 2 | 2 | 0 | 0 |
| 効果を感じた(中身の記述なし) | 4 | 3 | 0 | 1 |
| 運動の習慣・気分 | 6 | 2 | 2 | 2 |
| 効果を感じなかった・合わなかった | 6 | 0 | 5 | 1 |
1人が複数の分類に入ることがあります。

「マシンを使ったら自重よりも正しいフォームが維持しやすくて、運動不足だった私でも無理なくインナーマッスルを鍛えられた感じでした。」
40代女性・通っている・pilates K
この回答者は腰痛を抱えて始め、初回のカウンセリングで負荷を調整してもらったと書いています。
レッスン直後は「体が軽い」と「筋肉痛」に分かれた
レッスン後は、体が軽くなった声と筋肉痛になった声が4人ずつです。筋肉痛の4人は、全員が運動不足から始めていました。
同じく運動不足で、筋肉痛にならなかったと書いた人も1人います。
「レッスンが終わったあとも翌日に変な激しい筋肉痛にならず、むしろ体が軽くなって驚きました。」
30代女性・通っている・the SILK
この回答者は、バネの負荷をこまめに変えてもらえたと書いていました。
続けて姿勢や腰の変化を書いたのは4人
姿勢が変わったと書いた4人と、腰の痛みが和らいだと書いた2人は2人が重なり、合わせて4人です。全員がいまも通っています。
腰が痛くて上向きで横になれなかった看護師の20代女性は、月3回のレッスンを続けていました。
「ピラティスを初めて2ヶ月で上向きで寝ることができました。朝起きても上向きのままでした。」
20代女性・看護師・通っている・La pilates
ただし1人の体験なので、腰痛が治ると言えるものではありません。
効果を感じなかった6人は全員やめた人か体験だけの人
効果を感じなかった、症状が強まったなどと書いた6人は、やめた人5人と体験だけの人1人です。
6人中3人は、サーキット形式が難しかった、人数が多く効いているか分からなかったなど、個別に見てもらえない形式に触れていました。
「ピラティス初心者にはサーキット形式でのピラティスは難しいし、効果も正直そこまで実感できませんでした。」
30代男性・やめた・URBAN CLASSIC PILATES
リハビリ目的と伝えたのに、ほぐさずに伸ばす動きで症状が強まったと書いた50代女性もいます。
レッスンのない日に自宅でできる筋トレについては、記事「自宅で簡単に始められる筋トレメニュー: 初心者から女性まで」も参考になります。
体験では負荷の調整と相談のしかたを確かめる
効果を感じなかった6人の声から、体験では次の3つを確かめてください。
- バネの負荷を自分に合わせて変えてくれるか
- 痛む場所や目的を伝える時間があるか
- 1対1か、少人数のレッスンか
不調で始めた38人のうち7人は、痛みを伝えて配慮してもらえたと書いていました。掲載47社のうち、体験の案内に姿勢チェックやカウンセリングを明記しているのは13社です(2026年10月時点・編集部調べ)。
ガイドラインが運動療法をすすめるのは慢性腰痛です。痛みが出たばかりの人や持病がある人、妊娠中の人は、始める前に医師へ相談してください。
1対1で見てもらいたい人はパーソナルレッスンがあるスタジオ、運動に自信がない人は初心者向けのスタジオから探せます。
マシンピラティスの効果についてよくある質問
4つの疑問に答えます。
マシンピラティスの効果はどれくらいで出る?
研究の多くは週1〜3回で8〜12週間続けた時点で効果を測っており、「10回で変わる」という言葉は目安に使えません。創始者の言葉として広まっていますが、出典が確認できません。回答者で期間まで書いた人は、月3回で2か月通った1人だけでした。
週1回でも効果はある?
65歳以上では、週1回でも改善した研究があります。2018年の試験では、転倒リスクのある人がリフォーマーを週1回・10週間続け、歩行とバランスの改善が報告されました。通う回数の考え方はマシンピラティスに通う頻度で解説しています。
マットとマシンで効果は違う?
どちらが効くかは決められません。慢性腰痛の人で比べた研究には、マシンが早く改善したもの(2017年)と、マットの改善が大きかったもの(2014年)があります。違いは、バネで動きを助け、負荷を変えられる点です。
マシンピラティスで筋肉が太くなる?
健康な人の研究で報告があるのは腹筋の持久力の向上で、筋肉を大きくする効果は確かめられていません。筋力を上げたいなら、厚生労働省の身体活動・運動ガイド2023が週2〜3日の筋トレをすすめています。
マシンピラティスの効果まとめ
- 研究で報告があるのは、慢性腰痛の痛みの軽減と腹筋の持久力の向上です(バランスは60歳以上、柔軟性は結果が分かれる)
- 回答者が書いた変化は、続けてからの結果よりレッスン中の手応えが中心でした
- 体験では、負荷の調整と相談のしかたを確かめてください
判断の目安は、体験の日にバネの負荷を自分に合わせてもらえたかどうかです。パーソナルレッスンがあるスタジオや初心者向けのスタジオを探し、チェーンごとのアンケートの声も比べてみてください。

